「円は元気?」
「いつから気づいていたんです?」
姉の名前が出て、あきらめた遥は眼鏡を外し、直樹には見せない目つきで蓮を見る。
「初めからだ。父親の姓で入ってくるとは思わなかったよ。」
「知っていて私を放置していたの?お姉様の言うとおり、あなたには危機感というものが無いようですね。」
「必要ないだろう?この学園の大事な生徒なんだから。」
「気持ち悪いこと………言わないで!!」
短剣を取り出して、蓮の心臓を貫いた…はずだった。
「おっ!このチョコうまいな、さすがは優華のチョコレートだ。」
「ッ!?」
振り返ると、後ろで新しいチョコを食べる蓮がいた。
「クソッ!!」
蓮に斬りかかるが、そこに蓮はいなかった。そして肩をトントンと叩かれる。
「クッ―――――もが!??」
いきなり口にチョコを入れられる。
