えへへと苦笑いするエリーゼ。
「きっと、もういないんデス。グランパも悲しませないようにしてくれてたんだと思いマス…。」
「エリーゼ…。」
「ただエリーゼは、パパとママがどんな顔しているか知りたかったんデス。どっちに似ているんだろうって気になるカラ。性格はママに似ているってグランパは言ってマシタ。」
寂しそうに語るエリーゼに、直樹は何て言えばいいかわからなかった。
「そんなとき、レンが来ました。とっても暖かくて優しかったんデス…。まるで本当の親のようデシタ。寝る前にしてくれた話がトテモおもしろかっタ。エリーゼが日本に興味持つと、グランパに掛け合ってくれテ…。」
「それで留学?」
Yesと言いながらエリーゼは頷いた。
「(会長なら何か知っているかもしれない…。)」
そう思った直樹は立ち上がった。
「ちょっと行ってくる。」
直樹は学食を出て行った。
「ナオキ…。アヤカから逃げてるのに、大丈夫カナ?」
……………………。
……………。
……。
【生徒会室】
生徒会室にはアコースティックギターの音が響いていた。
