「待てぇ〜!!」
遠くで追いかけっこをしている直樹達がいた。
「ああ、あれだ。」
菫は直樹を指差したながら言った。
「あ…阿部君?」
「あれはかなり鈍い方だな。あれを落とすには骨が折れるぞ。」
「は、はあ…。」
初美は直樹達を見ながら、数回頷いた。
「しかし、そんな質問をすると言うことは、誰かにチョコレートを渡したんだな。」
「はい…。」
「なるほど。男が苦手の君からチョコをもらったら大半の男は勘違いするだろう。ちなみに私はチョコをもらったら、ベッドインOKと見なす!」
小さくガッツポーズしながら言う菫の目は光り輝いていた。
「意味がよくわからないですけど…。チョコレートなら生徒会の皆さんの分もありますけど…。」
初美がポケットから小さな箱を取り出す。
「なにぃ!?君は私にチョコを渡すと言うのか!??」
「お世話になっていますから…。」
「よし。それじゃ、私の部屋…いや、空き教室に行こう!そのチョコを溶かし、君の白い肌に塗り付け、私はそれを舐め取――るぎゃ!?」
後ろから踵落としをくらい、菫は顔から倒れる。
