「同じ風紀委員だし…迷惑かけてるから、そのお詫びで――――」
「マジか!?初美が俺にチョコレートを!?やったぜ!」
初美の言葉も聞かずに海は飛び跳ねながら喜ぶ。
「まさか初美!お前、俺の事が……。」
「え、え!?」
「そうか〜!話しかけただけで逃げるから、避けられてると思ってたけど。そうか、俺の事が…。」
「(どうして〜!?お詫びのつもりなのに!男の人ってチョコもらうと、自分の事が好きだと思うの!??)」
半泣きになりながら、初美は慌てる。
「ち、違う…違うの。お詫びのつもりで…。」
「初美。」
勘違いした海が初美の両肩に手を置く。
「ヒィィッ!??イヤァァァァ〜!!」
初美は渾身の力で、海の顎にアッパーを入れる。
「ぐはぁ〜!?」
海が後ろに弧を描くように吹き飛び、初美は教室から飛び出して行った。
「なぜだ…。」
倒れた海を、クラスメイト達が哀れみの目で見ていた。
飛び出して行った初美は、涙ぐみながら廊下を走っていた。
「キャッ!?」
「おっと…。」
人とぶつかってしまい、初美はしりもちをつく。
