「う……あ…。」




しりもちをついて、彩華を見上げながら後ろへ下がっていく直樹。







「受け取ってね、直樹くん。」





ドンッ!!





「うわっ!?」




とっさに首を横に曲げて銃弾を避ける。当たったところを見てみると、茶色い弾丸が壁にめり込んでいた。







「ち、チョコレート?」





「なんで避けるの!?」





「死ぬからだよ!!」





直樹は起き上がり、逃げ出す。






「受け取ってよ〜!」




銃を乱射しながら追いかける彩華。








「どうすれば…。」





「Good morning!ナオキ。」




前からエリーゼが歩いてきた。






「こっちは危ないぞ、エリーゼ!」




注意したその時、一発の流れ弾がエリーゼに向かって飛んでいく。エリーゼは特に驚きもせずに、口を開ける。






パクッ。





「いい甘さデ〜ス。」




飛んできた銃弾を瞬時にチョコレートと判断して食べるエリーゼ。






「すごいぞ、エリーゼ!助かったよ!!」




直樹がエリーゼの後ろに隠れる。






「うりゃぁぁ〜!」




彩華が銃を両手で構えて、連射する。エリーゼは異常なスピードで動き、チョコレートを食べていく。





キーンコーンカーンとスピーカーからチャイムが鳴った。






「急がないと遅刻してしまうネ。」





「くっ…。仕方ない。」




彩華は銃を、羽織っているブレザーの内ポケットにしまい、教室へと歩いていく。