「うっ…。50メートルプールだと、シャーク号・改を堪能できないな…。」
頭からピュ〜ッと血を噴き出しながら蓮が呟く。直樹は頭が壁にめり込んでいた。
「仕方ない、こうなったら水泳部員の間を縫うように走るか。」
シャーク号・改を抱えてプールに入ろうとしたときだった。
「蓮ちゃ〜ん。」
後ろに真由香が立っていた。
「それ、禁止って言ったよね。」
シャーク号・改を指差しながら真由香が笑顔で言う。
「あはは…。誰にも迷惑かけてないから大丈夫です。」
「あのね、さっき散歩してたら田んぼにエビがいたの。すっごくかわいかったから大量に捕まえたんだけど、蓮ちゃんにもあげるね。」
「え?」
真由香の言葉に固まる。
「浴槽に入れておきましょうか?」
そんな蓮に近づき、耳元でささやいた。
「すいませんでした!!」
青ざめて土下座する蓮。
「あら残念。でも次見かけたら、覚悟しておいてね。」
真由香は笑顔で立ち去った。
「海だ…。海に行くぞ〜!!」
少し涙目の蓮が叫んだ。
………………………。
……………。
……。
