【体育館2階・室内プール】
雨の日や冬場にでも、水泳部が練習できるように作られたプールである。
「てなわけで、一番端でいいから貸してくれ。」
前にいる水泳部の男子と女子のキャプテンに言う蓮。
「まあ、神崎が作ってくれた室内プールだし、男子水泳部は構わないが。」
チラッと隣の女子キャプテンを見る。
「うちも別にいいけど、騒いで風紀委員に怒られたときは自己責任よ?」
「ああ、それでいいよ。」
交渉成立した蓮が直樹達のところへ戻ってくる。
「うっし!それじゃ、遊ぶか!」
拳を高らかに上げた。
「いくデ〜ス!」
「私も泳ぐとしようか。」
エリーゼと菫がプールに入っていった。
「よっこらせ。」
蓮がサメ型の浮き輪を持ってきた。
「会長、海じゃないんですから、そんな浮き―――って、何かヒレの下についてますよ!?」
両ヒレの下に、何か円柱状の物がついていた。
「これぞシャーク号・改のエンジンだ!最大速度は3ノットだ!!」
〔*1ノットとは毎時1852メートル進む速さのこと。〕
「とりあえずこれを浮かべて、そして上に乗る。」
