【龍堂学園・プール】
「プールですヨ!」
「プールだぞ!」
エリーゼと蓮がプールに向かって走っていく。
〔*よい子はプールサイドは走らないでね。〕
期待していた人には残念だが、2人はビキニではなく学園指定の競泳水着である。
2人は勢い良くプールに飛び込む。
〔*よい子はプールに飛び込まないでね。〕
「あれ?」
直樹は首を傾げた。2人がなかなか水面に上がってこないからである。
「あ。上がってき―――――ん!?」
上がってきた2人は漂う流木のように力無くプカプカと浮いていた。
「うわぁぁっ!?大変だ!」
慌ててプールに飛び込んだ直樹だったが、エリーゼと蓮と同じようにプカプカと浮き上がってきた。
「暑いな…。」
遅れて菫がやってきた。
「こんなに暑いとプールも沸騰してるな。あはは……は?」
プールには浮かぶ、茹で上がった3人がいた。
…………………。
…………。
……。
菫に助けられ、難を逃れた3人だった。
「生き返るデス〜。」
「ああ、確かに…。」
冷たいシャワーを頭から浴びて、エリーゼと直樹は息を吹き返していた。
「仕方ない……あそこに行くか。」
同じようにシャワーを浴びていた蓮が言った。
