【寝室】
いくつもある個室の寝室で、直樹はベッドで横になっていた。
「う…。寝れない。」
パーカーを羽織って、直樹は部屋を出た。外の風に当たろうと、砂浜へ出る。月明かりだけだが、かなり明るく感じる。
「ん?」
下を見ながら歩いていると、ビーチサンダルとパーカーの上にタオルが置かれていた。
「誰かいるのかな?」
雲が月を隠して暗くなると同時にバシャッと音が聞こえる。海を見ると、誰かが海から上がってきていた。
「会長?」
足元まである長い髪が見えた気がしたので、直樹は声をかけた。
「ん?直樹か、どうした?」
「ちょっと眠れなくて、散歩を――――え?」
月を隠していた雲が過ぎ去り、徐々に明るくなっていく。
「うわぁぁ!?なんで裸なんですか!!」
慌てて後ろを向く直樹。
「誰もいなかったしな。それに今さら隠す間柄でもないだろう?」
蓮はタオルを取り、髪や体を拭いていき、パーカーを羽織る。
「服着たぞ。」
