悠斗のバタ足で飛んでくる水しぶきを浴びながら直樹が言う。
「そう言えば…部屋割りだが、悠斗は真里香と一緒でいいのか?」
「俺はどっちでもいいけど?」
「そうか、後で彼女に聞いておこう。で、直樹は誰と一緒だ?」
「はい!?」
驚いて直樹は立ち上がる。
「だから誰と一緒にするんだ?」
「俺は1人か男部屋でいいから…。」
「はぁ?」
総一郎が首を傾げる。
「直樹はまだ誰とも付き合ってないんだ。」
「ああ、そういうことか。好きな人はいないのか?」
頭を洗い終えて、総一郎が湯船につかる。
「お、俺は別に…。」
鼻の下まで湯に入り、ブクブクと息を吐く。
「蓮様の妹2人とは仲がいいように見えたが?」
「そうだよ直樹、どっちなんだよ。」
総一郎と悠斗が詰め寄る。
「だから、好きとかそんなんじゃないんだって!」
立ち上がって抗議する。
「ほう、なかなか立派だな。」
総一郎が直樹の下半身を見ながら頷く。
「俺も負けてないぜ!」
悠斗も立ち上がる。
「ふっ。私も負けんぞ!」
総一郎も立ち上がる。
お互いに確認しあい、そして手を合わして笑い出す。
「何をやっているんだ…。」
脱衣場まで聞こえてくる笑い声に、服を脱いでいた次狼は軽く溜め息を吐いた。
