「見せなさい!」
総一郎の手を取り、怪我した指を口に入れる。
「お、お嬢様!?汚いです!」
「動くんじゃないわよ。」
「うっ……。」
終わるまで総一郎は固まっていた。
「はい、ちゃんと消毒しておきなさいよ。」
「はい…。」
麗花がテーブルに戻った後も総一郎は固まったまま、ただ麗花が口が入れた指を見ていた。
「よかったな。」
「ふふふ…。あはは!さあ、作るぜ〜!!」
1.5倍速で動き、次々においしそうな料理を作っていく総一郎。
「おら小僧!さっさと料理運べよ!」
「はいはい。てか小僧って…1つ上なだけだろう。」
ブツブツ言いながらも、とりあえず料理を運ぶ直樹だった。
みんなが食べ始め、にぎやかな夕食になった。
【男子風呂】
星空がキレイに輝くのを眺められる露天風呂に直樹と悠斗、総一郎が入っていた。
「てっきり女風呂しかないと思ってたよ。」
「麗花様の専用の別荘には男湯はないが、ここは天条家の別荘だからな。たまに客人を呼んだりするからあるんだよ。」
頭を洗っている総一郎が答えた。
「ヒャッホ〜!!」
「悠斗、泳がないでくれ。」
