【麗花の別荘】
「ゴメンね、直樹くん。いきなりだったから驚いちゃって。」
「いえ、俺の方こそすいませんでした。」
お互いに謝る麗花と直樹。
「本来なら麗花様の気高きお姿を見たなら死罪確定なのだ、麗花様のお慈悲をありがたく思え。というか死ね。」
灰色の髪の執事が、鋭い目つきで直樹を睨みつける。
「総一郎!直樹くんは私のご友人です、ちゃんとご挨拶しなさい!!」
「うっ!?わ、わかりました…。私は日野(ひの)総一郎。麗花様専属の執事並びに親衛隊隊長をさせていただいております。以後お見知りおきを…。」
総一郎が右手を直樹に差し出す。
「どうも、阿部直樹です。よろしく…。」
握手すると同時に右手に痛みが走る。
「よ・ろ・し・く!!」
ニヤリと総一郎が笑う。
「あはは…。こ・ち・ら・こ・そ!!」
右手に力を入れる直樹。
「ふははは…。」
「あははは…。」
2人の間に火花が散る。
「まったく、総一郎ったら…。」
「あはは、仲良くなってなによりだ。」
