「やれやれ、とりあえずペンションに――――ッ!?」
いきなり足場が動き、2人はもう一度海へ落ちる。
「なんだ!?」
『目標に生体反応。まだ生きています。』
「脳を貫いたのに、まだ動くか…。おもしろい、水中戦のデータが取れるなら知佳も喜ぶ。」
大量の血を出しながらもサメは蓮へ向かっていく。
「両腕のアシスト最大!」
『了解。アシスト最大にします。』
近づいてきたサメの顔に何発もパンチを入れる。
蓮の拳にサメの骨が砕ける感触が伝わる。サメの動きが弱まったところで尾ビレを掴み、一本背負いのように投げる。
「ンンンッ!??」
そばにいた直樹がサメの巨体と一緒に海面へ飛んでいった。
「あ。」
『目標及び阿部直樹の排除を確認しました。おそらく無人島の反対側へ飛んだと思われます。』
「探しに行くか…。」
………………………。
……………。
……。
