「直樹は海に入らないのかい?」
「もったいないぞ、直樹くん。」
後ろから声をかけられて、直樹は後ろを振り返る。
「うわっ!?」
ほとんどヒモの白いビキニを着た沙織と、かなりきわどいラインでウエストが大きくカットされたレオタードの水着を着た菫がいた。
「ま、まだいいです…。先にどうぞ。」
「そうか、先に行こうか菫。」
「そうだな、先に行くよ直樹くん。」
2人は小走りで海へと向かって行った。
「はあ…。目のやり場に困る。」
溜め息を吐く直樹。
「よし、私も行くか。」
後ろで蓮の声が聞こえた。
「(か、会長!?今は女の体だし、菫さんもいるから、きっときわどい水着を着せられているはず…。目のやり場に困るが、しかしなぜか俺の心が見ろと叫ぶ!)」
心の声に従い、直樹は振り返った。
「……………。」
「どうした?」
「何を着ていらっしゃるんで?」
「猫スーツだ。知佳に海に行くと言ったら、耐水性、耐水圧性を計りたいと言われてな、データ収集のために猫スーツで海底調査してくる。」
黒の猫スーツを着た蓮が、歩きながら海の中へと消えていった。
「なんだろう…心が痛い。」