【生徒会室】
「失礼しま〜す。」
ドアを開けて生徒会室に入る。
「ああ、おはよう。」
すでに制服に着替え、長い銀髪を後ろにまとめた蓮が書類整理していた。
「会長、荷物届いてますよ。」
「荷物?」
ペンを止めて直樹の持っている荷物を見る。直樹はそれを蓮の机に置いた。
「なにか注文したかな?」
蓮が荷物の包装を取る。そこには小さな水槽に入ったエビのような生物が3匹入っていた。
「うわ〜。懐かしいですね!よく田んぼで見ましたよ。お化けエビとか言われてませんでした?」
そのエビは逆さを向いて無数の脚を動かして水面を泳いでいた。
「今見ても変な生き物ですね、会長。」
直樹は蓮を見た。だが蓮は、ただじっとエビを見つめていた。
「会長?どうしたんで――――」
「キャーーーー!??」
蓮は飛び上がり机を越えて直樹に抱きつく。
「え?」
初めて聞いた悲鳴と怖がって自分にしがみついている蓮に戸惑う。
「こ、これ会長が注文したんじゃないんですか?」
水槽を取り、蓮に見せる。