【次の日】
「ふぁぁ〜。」
大きなあくびをしながら、直樹は修行するために朝の廊下を歩いていた。
「けっきょく朝まで遥の部屋で寝てしまった…。でも遥いなかったんだよな、どこ行ったんだろ?友達の部屋かな?」
ケータイの目覚ましが鳴ったので起きると、部屋には遥はいなかった。
「すいません。」
後ろから話しかけられて、直樹は振り返る。そこには帽子を深くかぶった配達員がいた。声からして女性だろう。
「はい?」
「神崎蓮さん宛に荷物を預かっているのですが、部屋がわからなくて…。」
「ああ、なるほど。」
蓮の部屋は隠し扉の先だし、生徒会室で寝てることもあるので見つけるのは無理だろう。
「渡しておきましょうか?」
「はい、助かります。それではサインを頂けますか?」
ペンを渡されて、直樹は受け取り票にサインする。
「ありがとうごさいました〜。」
頭を下げて配達員は帰っていった。
「こんな早くに配達なんて珍しいな。それにさっきの人、どこかで見たことある気が……まあいいや。」
とりあえず直樹は生徒会室へ向かった。
