「これ、おいしいよ。」
「今日はアッサムにしてみたんです。喜んでもらえて嬉しいです。」
優華の今日一番の笑顔だった。
「(おお!エンジェルスマイル!!癒される〜!)」
心の中で叫びながら、直樹は顔がほころぶ。
「むっ……。」
そんな直樹を見た彩華が急に立ち上がる。
「行くよ、直樹くん!」
「え?」
彩華は直樹の手を掴んで、2人は部屋を出て行った。
「どうしたんだろ?」
1人首を傾げる優華だった。
…………。
……。
…。
【旧館・2階】
「ちょっと彩華さん!?どこまで行くの!??」
彩華は何も言わずに歩いていく。
「…………。」
急に彩華が立ち止まる。
「彩華さん?」
「ん?あれ?」
キョロキョロと周りを見回す彩華。
「うわぁぁ!?ゴメン!」
手を掴んでいたことに気づいて慌てて離す。
「急にどうしたの?大丈夫?」
直樹は心配して彩華の顔を覗き込む。
「っ!?」
急に直樹の顔が近づいたので、彩華は驚き、顔が真っ赤になる。
「ほ、ホントにゴメン!!」
彩華は全速力でどこかに走っていった。
