牛乳と猫スーツ。




エリーゼと別れた後、直樹は彩華に連れられて、彼女の部屋にいた。






「苦手な物ですか?」




部屋にいた優華にも聞いてみた。優華はずっと部屋の掃除をしていたらしく、みんなと違い制服ではなく、ピンクのタートルネックにデニムのロングスカート、白地に黒猫が描かれたエプロンを付けていた。






「(優華さんのエプロン姿、癒やしだなぁ〜。)」




コタツに入っている直樹は、正面にいる優華を見て癒されていた。






「そうですね、苦手と言うか恐いのは、両親と姉さまですね。」




「そうだよね〜。」




横でみかんを食べてる彩華が同意する。






「両親、そんなに恐いの?」




「恐いよ〜。姉貴より恐いよ〜。」




お化けのようなポーズをとって、彩華は恐さをアピールする。






「姉さんは怒られるの多かったから、近くで見てるだけで恐かったです。」




「彩華さん、そんなに怒られてたんだ…。」




「私は姉貴のまねをしてただけだよ!それだけなのに怒られるんだもん!理不尽だよ!」




腕組みして自分は間違っていなかったと言わんばかりに大きく頷く。






「姉さまは泥棒捕まえたり猪を倒したりしてましたから、まねするなと両親に怒られて…。」





「会長もすごいけど、まねしようとする彩華さんもすごいね…。」




そう言って、直樹は優華が出してくれた紅茶を飲む。