彩華に引っ張られて「ぐぺぇ。」と、直樹の手を口から出す。
「うわ…。」
右手には、べったりとヨダレがついていた。とりあえず直樹は手を洗いに行くことにした。
直樹がテラスに戻ってくると、エリーゼがぐったりしていた。
「どうしたの?」
「エリちゃん、お昼まだなんだって。」
「そうなんだ。食べていいよ、エリーゼ。」
直樹は卵サンドを取る。
「いただくデ〜ス!」
エリーゼは直樹の手にある卵サンドではなく、サンドイッチの入った箱を取り、食べ始めた。
「……………。」
直樹は理解できずに、ただサンドイッチがなくなっていくのを見ていた。
「半分食べていいよ、直樹くん…。」
自分の箱を直樹に近づける彩華。
「うん、ありがとう…。」
嬉しそうに食べるエリーゼを見て、諦めることにした直樹だった。
「エリーゼはお昼も食べずに何をしてたの?」
「えっとネ〜。」
