「えっ?でも、多くゴミを集めた人が賞品をもらえるんじゃ…。」
「誰がそんなこと言った?それは去年、今年は速さだ。賞品板の隅に書いていただろう?」
菫は、クレープに付いていたペーパーを新品のゴミ袋に入れる。
「さて、私はもう帰るよ。」
そう言って菫が歩いて行った。
「早く…帰らなきゃ……。」
彩華が立ち上がる。
「え?姉さん、車を持っていくんじゃ…。」
「そんなもんいるか〜!!」
彩華が走り去った。
「姉さんが、賞品という名の悪魔に取り付かれてしまいました!?」
「初めから取り付かれてたよ…。」
とりあえず帰ることにした。
校門前にある横断歩道の赤信号で止まっていると、彩華が校門から出てきた。
「ウーパールーパー、もらったど〜!!」
右手にはピクピク動くピンク色の生物を持っていた。
信号が青になり歩き出して歩道を渡ると、会長も校門から出てきた。
「会長、どこか行くんですか?」
「ちょっと外の生徒を見にな。」
会長が歩道を歩いていると、右から左折してきた車が猛スピードで走ってきた。
「会長、危ない!!」
ガシャンッ!!!