とある休日の朝、生徒会室には生徒会メンバーと直樹と彩華がいた。
「チェックメイト。」
長い銀髪を左右に1つづつ団子にした蓮がチェス版に置かれた黒のクィーンを動かして、白のキングをチェックする。
全風紀委員合同訓練の数日後に蓮は女の体になっていた。
「負けました…。」
ガクッとうなだれているのは彩華である。負けたせいか、長いポニーテールに元気がないように見える。
「ああ…やっぱり団子もいい。」
直樹の前でお茶を飲みながら、蓮の髪型に熱い視線を送る菫。いつも女バージョンの蓮の髪型をいじっているが、今回はかなりよくできたらしい。
「いいと思うだろう?」
すごく幸せそうな顔をして直樹に聞いてくる。
「は、はい。」
とりあえず同意しておいた直樹だった。
コンコン。
不意にノックが聞こえた。
「どうぞ〜!」
元気よく招き入れる彩華。
「なんで彩華が答えんの?」
「いいじゃん!もうすぐ私が言うようになるんだから!」
えっへんと胸を張る彩華。
「せめて一回、私にチェスで勝ってからにしてくれ…。」
大きな溜め息を吐く。
「ちぃーす。」
入ってきたのは、小さな袋を持った海だった。