【無名県・南北境界線】



民家かも無い平地が続くこの場所で、銃声が鳴り響いていた。





「ガハッ!?」




鋭いワイヤーが首に触れただけで、鮮血が噴き出す。ピクッピクッと痙攣しながら倒れる。







今倒れた男子生徒を合わせて、5人倒れている。






「クソッ!攻撃を止めるな、首を切られるぞ!」




リーダーである、この男子生徒は英楼(えいろう)学園、3年、生徒会長の山ノ内栄治(やまのうち えいじ)。円が全く動かないので独断で北へ進行した。







「独断専行なんて、あなたらしくないわね〜。年下に代表の座を取られて、好き勝手に暴れられないから?」





半円状に包囲され、絶え間なく銃弾を浴びせられているが、右手のグローブから出るワイヤーで弾き落としていく。左上腕義手の五指から鋭いワイヤーを出して、隙ができた者の首を狙う。







「まあ、そんなとこだ。それより、お前引退したんじゃなかったのか?」




「あなたもいい加減に引退したら?任期無視して会長続けて…大人気ないわよ。」




話している間も、左手を小刻みに動かして男子生徒2人の首の血管を切る。







「お前も相変わらず恐いな…。さすがは『風紀の鬼』だな。」





栄治の言葉にピクッと眉を動かす真由香。それと同時に左手を動かし、栄治以外の生徒を倒した。