「悠斗、何してんの?」




悠斗に近づく。






「このブロックが土に埋まって抜けねぇ〜んだよ。」




悠斗は土が少し盛り上がった中心にある白いブロックを抜こうとしていた。






「悠斗…、投手板を抜こうとしないでよ…。野球部に怒られるから。」




悠斗(バカ)をほうっておいて、外に出て川沿いへ行く。






「さて、外に出てみたけど…。」




目の前に見たことあるような光景が…。






「だ、ダメだって、姉さん!!」




優華が、壊れた車をゴミ袋に入れようとしている彩華を止めている。







「離して!コレはゴミなんだよ!?環境ためにも、私のためにも!!」




絶対に後者だけのためだと思う。







「流石にそれは無理だよ…。」




直樹は彩華を止める。






「直樹くんまで!?私は環境のためにしているのに!!」




「だからって限度があるよ、姉さん…。」





「私は悲しい…。私にもっと力があれば、みんなが幸せになるのに…。」



彩華が泣き崩れる。






目の奥に欲望の炎が燃えているから、たぶん嘘泣きだろう。





「姉さん…。そこまで環境のために……。」




姉の姿を見て優華の目が潤んでいる。






妹だまされてるし…。





「おや、何をやっているんだ?」




菫がクレープを食べながら後ろに立っていた。







「こんな所で油を売っていていいのか?早くしないと賞品がなくなるぞ。」