銃を構えていた前衛部隊が呆然と見ていた。一瞬で移動して男を殺した事よりも、月明かりに照らされている女の子の美しさに。







「う、撃てぇー!!」




誰かが叫ぶと同時に、無名大橋は血しぶきと銃弾が飛び散る戦場となった。





………………………。





……………。





……。







【龍堂学園・女子寮】




深夜1時が過ぎたとき、個室である真由香の部屋に、訓練を終えた直樹達1年生がいた。






「飲ませすぎたかな?」





空になって転がっている、いくつもの酒瓶を見て真由香が呟く。





蓮に子守を任された後、直樹達を部屋に呼んで、秘蔵の酒を飲ませていた。




アルコールに耐性がない直樹達は、1人また1人と倒れていった。







「…………。」




真由香は立ち上がり、鍵付きのクローゼット前に立つ。






持っていた鍵でクローゼットを開けると、蓮達が着ている戦闘専用の服に黒いコート、アタッシュケースが1つあった。




制服の上を脱ぐと、今は無き左腕の付け根には金属のような物がついていた。






アタッシュケースを開けると、そこには眼帯と左腕が入っていた。上腕義手である。