軍手をつけて、とりあえず悠斗と校内のゴミを集めることにした直樹。
「意外に落ちてるもんだな…。」
紙コップや空き缶などが落ちていた。
ブチブチブチブチブチブチブチブチ……。
悠斗が一心不乱に雑草を抜いていた。
「悠斗…。雑草ばっかり抜いてないで、ゴミを集めてよ…。」
「それもそうだな、あんまり草ばっかりだと蓮さんに何か言われそうだしな。」
悠斗のゴミ袋の半分くらいが雑草と土だ。
悠斗が雑草抜きを止めて、少し離れたとこに行く。
「ん?なんだろ…。」
直樹は汚れた紙を見つけた。
「前にやった歴史の小テストじゃないか…。」
川中島の戦いはどうなった。
答え、俺が止めた。
「すげぇな、この人…。」
名前は、土で部分的に読めない。
「…原、…斗。俺の友達は戦国時代に生きてたんだ…。」
紙を丸めて、ゴミ袋に入れる。
「うおぉぉぉ〜!!!」
悠斗が叫んでいた。
しゃがんで何かしているようだが、こちらからは何をしているかわからない。