「組長に副長…。何かご用でも?」
「会長に部隊報告書を渡されたから届けに来たのよ。」
真里香が持っていたプリントを渡す。
「これはご足労を…。そちらの方はお館(やかた)様のお弟子さんですね。」
「お館様?」
聞き慣れない言葉に直樹は首を傾げる。
「蓮さんのことだ。」
「ああ、なるほど!」
悠斗に教えてもらい、ようやく理解する直樹。
「俺、たまに風紀委員と一緒に訓練させてもらっている阿部直樹です。」
「ご丁寧に…。私は風紀委員、3番隊・隊長。栢山(かやま)零です。」
互いに握手を交わす。
「直樹、零は忍と友達なんだぜ。」
「忍と?」
「はい…。忍とは同じ流派ですから。」
そう言うと、零はどこからともなく忍が持っているものとよく似た刀を出す。
「忍はセントリーで、零さんは龍堂なんだね。」
「忍は天条家、私は龍堂家へ仕えていますから…。お館様の計らいで、今は菫様の下にいます。」
「直接、菫さんに仕えればよかったんじゃない?」
