ベチャッ、ベチャッと、訓練弾であるペイント弾の塗料が風紀委員達についていく。





「よし、終了。」




最後の1人に弾を当てて、直樹は銃をポケットにしまう。







「次!1対1の訓練を始めます!!」




蓮に今日の訓練のメニューを任されている真里香が叫ぶ。






「へへっ。やっぱ一般生徒じゃ相手になんねぇか?」





「いや、統率された複数の相手と訓練できるのは、いい経験になる。」




グラウンド中央に、悠斗と直樹が対峙する。







「100戦47勝48敗5引き分け。今日は俺が勝たせてもらうぜ、直樹。」





「負けると会長に怒られるんだから。俺は勝たなきゃいけないんだよ、悠斗。」




2人の顔つきが変わり、拳を構える。






「始め!」




真里香の声と同時に、2人は前へ走り出す。





「オラァァァ〜!!」




大きく振りかぶった拳を、直樹に向かって撃ち込む。






「っと!」




悠斗の一撃をかわす直樹。その拳は地面当たると同時に大きな穴を作る。




いくら蓮に殴り蹴られ慣れている直樹でも、悠斗の全力を受ければ一発でノックアウトである。悠斗の47勝の内、24勝は一発ノックアウトだ。




負ければ蓮に怒られる直樹だが、この一発ノックアウトの時が一番恐い。




「かわすなよ、直樹!」




「バカ!それで負けたら俺がどうなるか知ってるだろ!?」




「俺は蓮さんに褒められんだよ!」




一発ノックアウトすると、蓮はよくやったと悠斗を褒める。