「ねぇ、会長って大変?」
「ん〜?別に大変だと思ったことはないぞ?」
チェックしている書類から目線を変えずに蓮が言う。
「そっか。」
「まだなってもいないのに先の心配か?」
「みんなに支えられてるんだから、絶対なるもん。」
「そうか、絶対か。なら心配するな。お前は支えてもらって、そして少しずつ頑張っていけばいい。」
優しい顔で、彩華を見ながら言う。
「うん、そうだね!」
「さあ、もう寝るぞ。」
書類を片付け始める蓮。彩華はピョンと飛び起きて、大きいベッドに潜り込む。
蓮は書類をまとめてダイニングルームの電気を消そうとする。
「兄貴〜。」
「ん?どうした?」
「ごめん、隣に誰かいないと落ち着かないんだ。一緒に寝て〜。」
「はぁ〜。やれやれ、まったく…。ちょっと待ってろ。」
大きな溜め息を吐いて、別の部屋に書類を置きに行く。
「ほら、ちょっと向こうに寄ってくれ。」
彩華の隣に入る。
