「兄貴、私はどこで寝たらいい?」
「好きなとこで寝ていいぞ。」
「それじゃあ、あのでっかいベッド〜!」
この部屋で一番大きなベッドへ彩華は走っていき飛び込む。
「すぐに夕食を作るから、その間に荷物を出しとけよ。」
「は〜い!」
彩華はリュックからぬいぐるみを出して、ベッドに配置していく。そんな彩華をやれやれといった表情で見ながら、蓮はキッチンへ向かった。
トントントンと手際の良い包丁の音が部屋に響いている。
「何か手伝うことある〜?」
「ん〜?そうだな、皿を並べといてくれ。俺の後ろに入ってるから。」
「は〜い。」
数十分後…。
テーブルにはポテトサラダ、ハンバーグ、オニオンスープ、蒸かした野菜、白ご飯が並んでいた。
「クロア、シロウ。」
蓮が二匹を呼んで、前にねこまんまが入った皿を置く。
「にゃ。」「にゃ〜。」
二匹は嬉しそうに食べ始めた。
「ハンバーグだ!てっきり魚かと思ったのに。」
「豆腐ハンバーグだ、普通よりカロリーは低い。さあ、俺達も食べよう。」
2人は椅子に座って、手を合わせる。
「「いただきます。」」
同時に言って食べ始める。
「うま〜い!これ!これだよ〜!我が家の味は!」
豆腐ハンバーグを一口食べた彩華がうなる。
「大袈裟だな、優華の料理を食べてるだろ。」
「優華はまだここまでの域に達してないんだよ〜。うぅ〜幸せ〜。」
「やれやれ…。料理くらい自分でできてほしいんだが。」
