【彩華と優華の部屋】
学校が終わると、彩華は部屋に戻ってリュックに荷物を詰めていた。
「よいしょ、よいしょ!」
ペンギン、ウサギ、イルカ、マンボウ、クジラ、大量にあるぬいぐるみの中から、お気に入りを選んでリュックに入れる。
「やっぱりクジラは大きすぎるな〜。抱えて持って行こう。」
「ただいま……って姉さん、何してるの?」
今帰ってきた優華が不思議そうに彩華を見た。
「今日から兄貴のとこに行くから必要な物をリュックに入れてるの。」
「ぬいぐるみだけを持って行くの?」
優華の言葉通り、彩華のリュックにはぬいぐるみしか入っていない。
「他にいらないじゃん。」
「いや、下着はいるでしょ?」
「兄貴持ってるよ。」
「サイズ合わないでしょ。とりあえず日用品は私がまとめておくから、姉さんはそのまま必要な物を入れておいて。」
数分後…。
ぬいぐるみで張り裂けそうになっているリュックと、日用品が入った小さな鞄があった。
「それじゃ、行ってくるよ〜!」
「はい、いってらっしゃい。」
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