【1年2組】





朝のHRにギリギリだったので、彩華は1限目が終わってから聞いてみることにした。




キーンコーンと授業終了のチャイムが鳴ると、彩華は素早く直樹に近付いた。





「直樹くん。」




「ん?どうしたの?彩華さん。」




直樹は次の授業の準備をしながら言った。






「直樹くんとKONISIKEとマヅコ・デラックスの3人しかいない世界なら、直樹くんはどっちと結婚する!?」




「は?」




直樹は訳が分からないといった顔をする。






「どっち!KONISIKE?マヅコ・デラックス?どっちなの!?」




「いや、意味が分からないんだけど…。というか、その2人は男なんだけ――――」




「どっち!!!」




ドンッと机を叩く彩華。クラスメイト達が音の方を一瞬見るが、直樹と彩華だったので自分達の会話に戻る。





「切腹するよ…。」




「(切腹!?ということは…つまり!)」





***************





「世界に2人だけになって、3日か。」




「モグモグ……もう食べ物無いね。モグモグ…。」




「うん。彩華さんが全部食べたからね。」




「直樹くん…モグモグ…私と結婚してください…モグモグ…。」




まん丸になった彩華が食べながらプロポーズした。





「そっか。なら俺、切腹するよ。」




ブシュッ!




落ちていた包丁で腹を切って、バタリと直樹が倒れる。





「直樹くん!うわぁぁっ!?」




急に立ち上がった彩華はバランスを崩して倒れる。