退屈。





ただそれだけだった。姉は高校生で寮生活だったので、昔は家が近かった従兄弟の悠斗で遊んでいた雪だったが、悠斗が引っ越してしまうと、彼女の暇潰しの相手がいなくなってしまった。





だから彼女は相手をネットへ向けた。





彼女の暇潰しに対する努力は異常としか言えなかった。







小学校低学年で日本の警視庁の極秘ファイルがある頑丈なセキュリティーを突破、高学年ではアメリカのホワ○トハウスのパソコンに侵入してお土産(ウイルス)を置いていった。







一時期、掲示板にハッキングしてほしいと書き込めば、彼女が気が乗ればやってくれるので、『whimsical hacker(気まぐれなハッカー)』と呼ばれ、都市伝説にまでなった。





中学に入学しても、まだ彼女の暇潰しは続いていた。そんな中、彼女もまた次狼と同じく人生を変える蓮と出会う。





楽しそうに過ごす蓮達を、いつの間にか憎く思うようになっていた。





蓮達がホームページを作る話を聞いて、雪はパソコンを使って嫌がらせをしていく。それは日に日にエスカレートしていった。







そしてある日、放課後の教室で、いつものように嫌がらせをしようとパソコンを操作する雪だったが、ある異変に気付く。




蓮達のホームページを開いた瞬間に、逆にハッキングされているのだ。






すぐに対応するが、徐々に押されていく。