「麗花さん、中学一緒だったんですね。」
定食を食べ始めながら直樹が言う。
「そう、親に無理言ったらしいわ。さすがに高校は無理だったけど。蓮のおかげで問題児の一員として見られてたわ。」
「ああ…。なんか振り回されてる姿が想像できます…。」
「確か順番は、知佳、次狼、私、そして…円。この7人で問題児集団。」
「円…さん?」
聞き慣れない名前に首を傾げる直樹。
「今は違う所にいるんだけどね…。」
「そうなんですか。」
外国にでもいるんだと直樹は思った。
「蓮と出会ってから、毎日が楽しかった。直樹くんもわかるでしょ?」
「楽しい…と言う境地にはまだ…。みなさんみたいにタフじゃないので……。」
「それじゃあ、もっと頑張って修行しないとね!」
「あはは…頑張ります。」
話し終えた後、雪はカウンターでカフェ・オレを買って、テーブルの上にノートパソコンを出して、何かの仕事を始める。
「仕事ですか?」
「ん〜?ああ、部活の予算割り。」
カタカタカタカタカタカタ…。
音だけ聞いていても、操作が速いことに分かる。
「速いですね…。」
「なにが〜?」
「いえ、操作ですよ。」
「まあ、この腕を見込まれて、蓮の仲間になったみたいなものだからね。」
喋っている間も、高速でキーボードを叩く音が聞こえてくる。
「そうね、直樹くん放置して仕事するのも気が引けるし、昔話でもしてあげるわ。」
