直樹の前にカップを置いて、正面に座る。





「はい、大丈夫です。初めは違うって、どういうことですか?」





「直樹は獣人のことを知らないんだったな。まずはそれから話そう。」





獣人。それは突然生まれた。どうして生まれたかは分からない、突然変異としか言いようがなかった。





それは特性を持つ者や、人よりも屈強な者などがいる。






今でこそ緩和しているが、初めは管理される種族だった。自分達は人より下だと頭に教え込まされ、人に従うように体に教え込まされた。




次狼も例外ではなかった。幼い頃から訓練という名の粛正(しゅくせい)を受けた。






だから彼は人が嫌いだった。獣人は人と同じだという法律が決まってから、彼は自分を見下していた者に復讐していた。





屈強な体と得意だった銃の腕前、周りには自分にかなう者がいなくなっていた。






そして、中学へ入学。そこで彼は自分の人生を大きく変える者と出会う。




神崎蓮と出会った。ヘラヘラした蓮に次狼はイライラを募らせていき、それは爆発した。






次狼は蓮と戦った。それは喧嘩とは違い、本気で殺す勢いで。