「じゃじゃ〜〜ん!」
蓮が入っていた荷物を見せる。それはパンダの置物のように見えた。しかしそれの背中にはハンドルのような物が付いている。
「これって昔、遊園地で定番だった動物の乗り物よね…。」
雪がパンダの乗り物を触りながら言った。
「なんだこれは……。」
次狼は眉間にシワを寄せ、プルプルと震えていた。
「いやだから、雪が言ったように金入れたら動く乗り物だけど。まさか次狼知らねぇの!?」
「バカ野郎!俺が言いたいのは、生徒会経費でなんて物を買ってるんだってことだ!!しかも中古で80000だぞ!?完全にぼったくられてるだろ!!」
「園長の思い出の物らしくてな、なかなか首を縦に振ってくれなかったんだ〜。まあ、俺の粘り勝ちだったけどな!」
あははと笑う蓮。
「返品してこい…。」
これ以上ないくらい低い声で次狼が言った。
「何言ってんだよ〜。今からこれを改造して遊ぶんだよ!よし、行くぞ〜直樹。」
パンダの乗り物を抱きかかえるように持って、蓮は直樹に近づこうとしたときだった…。
ガシャン。
背後でショットガンのスライドを前後させる音が聞こえた。
「80000円を無駄遣いか…。そうかそうか、俺も無駄遣いしたくなった。80000円分の散弾をな。」
怒りのオーラを纏った次狼を正面で見ている直樹は汗をダラダラと流す。
「会長…返品した方がいい――――」
「ヤダ。」