「こんなものか?どう思うクロア?」
蓮はチェーン・ソーのスイッチを切り、ゴーグルを外して、隣で座る黒猫に尋ねる。
「にゃ。」
「ふむ。右の翼が2ミリ大きいか…言われてみれば確かに。」
再びゴーグルを付け、蓮はチェーン・ソーのスイッチを入れる。
「俺が頑張ってるのに、何やってんですか会長!!」
直樹は隣でチェーン・ソーを使って、氷の塊から白鳥を作っている蓮に向かって叫ぶ。
「うっし、完成!」
「人の話を聞けぇ〜!!」
「なんだよ直樹。お前が頑張るのは当たり前だろうが。大体、壁走りごときに何時間かけるつもりだ?」
白鳥を完成させた蓮がクロアを肩に乗せて、マットに寝転がる直樹の顔を覗き込む。
「いや…人間技じゃないんですが、壁走り…。」
「まったく、もう一度だけやって見せてやるよ。」
蓮は軽く足首のストレッチをすると、クロアを乗せたまま一気に校舎を数歩で駆け上がる。
「あはは…。やっぱ人間じゃね〜や。」
屋上では蓮が「こうやるんだ、わかったか〜?」と、手を振っている。
その後、直樹は何度も壁走りに挑戦するが、3分の1までしか行けなかった。
………………………。
……………。
……。
