【彩華と優華の部屋】






「それじゃ、後は任せるよ優華さん。」




「また明日デ〜ス!」




「また明日。」




「はい、お疲れ様です。」



直樹とエリーゼと沙織の3人が部屋から出る。






「エリーゼ、今日はもう寝るヨ〜。」




「私も行くところがある。」




「そっか、また明日な。」



エリーゼと沙織と別れて、直樹は男子寮に向かって歩いていく。いつの間にか空が濃いオレンジ色になっていた。






「ッ!?」




歩いていると、途中で階段を下りてきた女の子とぶつかってしまい、女の子が持っていた本を落として後ろに倒れる。







「ご、ごめん!」





「いえ、大丈夫です。」





「あっ…。」





その女の子は、前に中庭で出会った白髪の眼鏡をかけた女の子だった。






「君はあの時の…。」





「はい?ああ、阿部くんですか。」




ズレていた眼鏡を直す女の子の顔は無表情だった。