牛乳と猫スーツ。




一体どれだけの攻防を繰り返しただろうか。3時間?5時間?





しかし戦っている者と見ている者では体感時間が違う。恐らく1時間も経っていないくらいだろう。






だがそんな3時間、5時間ともとれる体感時間で戦っている者達は肉体、精神を疲労していく。





修行して体力がある直樹と優華は、今だ疲れを見せない沙織と戦っているが、彩華と後から来たエリーゼは動きが止まっていた。







「も、もう動けないデス…。」




不思議アイテムと体力を使い切り、エリーゼが大の字に倒れる。







「(弾は矢を撃つのに使い切ったし、足も動かない…。)」





そんなことを心の中で呟いていると、沙織の蹴りが優華にヒットして鉄板に激突して、優華がうずくまる。







「優華さん!?」





「人の心配をしている場合か直樹?」






「く……っ!?」




蓮と比べれば動きは遅く、目で追え防ぐことができる直樹。しかし防御に徹しなければ、すぐに急所に攻撃を入れられてしまう。直樹は一瞬の隙をうかがっていた。






「(私がさおりんの隙を作ってあげることができれば…。)」




手元にあるのは弾切れのハンドガン1丁だけ。






「(弾がなきゃ意味な――――)」




彩華は何かを思いついて、歯を食いしばって立ち上がり、そして走り出す。