「うわっ!?完全に我を忘れてるし…。」





噛まれそうになり手を引っ込める。







「さあ!行っくわよ〜!」



かなり楽しそうに真里香が言うのであった。




………………………。





……………。





……。








【1階、中央】






『こちら彩華、指定の位置に着いたよ。』





「オーケー、彩華。合図があるまで待機。」





『了解!』




ケータイで彩華と真里香が連絡を取り合う。







「真里香、目標が来たぞ!」




双眼鏡で見ていた悠斗が沙織を見つけた。






「よ〜し。それじゃ、化け物に働いてもらいましょ!」




そう言って、真里香は首輪に付いている鎖を持ちながら、檻からエリーゼを出す。






「ウゥゥ…。」





少し落ち着いているのか、エリーゼは真里香の隣を4足歩行で歩く。





「さあ、エリーゼ。よく見なさい、南条沙織がいるわ…きっと新鮮な魚を持ってるわよ。でも魚は1つしかないの、エリーゼの分はない…。なら奪うしかないわよね?」






「ガァーッ!ウガァー!!」




魚というフレーズに、エリーゼは興奮する。