【放課後】





教室には直樹、彩華、真里香、悠斗の4人が残っていた。優華は部活の書類整理があるため、部室に行っている。







「ねぇ真里香ちゃん、作戦ってどんなの?」





「恩を作るのよ。敵に襲われているところを、あんたが助ける。」





「おお〜!なんかいい感じだね!」




彩華が飛び跳ねて喜ぶ。








「まさか敵役を俺か悠斗がやるって作戦じゃないよな?」





「もっといいのがあるのよ。そのために放課後まで待ったんだから。」





真里香がパチンと指を鳴らす。すると悠斗が廊下に出て、黒い布を被せた四角い物を乗せた台車を押してくる。







「なんだこれ?」





「これが敵役、というか化け物役ね!」




バサッと布を取る。








そこには、某ロボットアニメの初号機の暴走モードによく似た、腹ぺこモードのエリーゼが首輪を付けて入っていた。








「グゥガガガガ…。」





獣のうなり声に似た声を出すエリーゼ。犬のお座りのような状態なので、スカートの中のピンク色の布が見えている。








「あの〜真里香。忘れてるかもしれないけど、エリーゼはイギリスの王位継承権持ってるからね…。かなり下の方らしいけど、一応お姫様だし。」




「いいじゃない、エリーゼも彩華の生徒会メンバーでしょ?ならこれは手伝いよ、問題無いわ!」




やはりどこかネジが飛んでいるようだった。






「エリーゼ、大丈夫か?」



「ウゥ〜。ガアァァ〜!!」




直樹が手を近づけようとすると、エリーゼが噛みつこうとする。