「すぐに直しますよ、コーヒーメーカーも新調しておきます。」
「ふむ、ならかまわん。好きなだけやれ。おっ?レアアイテムゲット!今日はツイてるな。」
画面に向ける顔は子供のように無邪気な笑顔だった。
「うおりゃああ〜!」
かなめと話している蓮に向かって、直樹は殴りかかる。しかし蓮の高速回し蹴りが直樹の顔側面に当たり、直樹は保健室のベッドに突っ込む。
「ベッドも新調しておきます。」
「ああ、フカフカなのを頼む。今のちょっと堅くて寝にくいんだ。」
「了解です。」
ちょうど話し終えたときに朝のHRの予鈴が鳴る。
「よし、今日はここまで。」
こうして日課になった修行が終わる。
最初は迷惑がられていた直樹の修行だが、壊れたら色々新調してくれるので、今では直樹が突き抜けてくるのを待ち望んでいる。
【1年2組の教室】
「いててて…。」
少し赤くなった右頬を撫でながら、制服に着替えた直樹が教室に入る。
「オッス、阿部!早くうちの部室に突っ込んできてくれよな!」
「阿部く〜ん、うちもよろしく〜!バットが傷んできたんだ〜。」
聞き慣れた朝の挨拶が直樹を出迎える。
「は〜い。みなさん席についてくださ〜い。」
