牛乳と猫スーツ。




「勝負は時の運さ。それより、やっぱり参拝はしないのか?」





「ええ、神なんていませんから。神に祈る暇があるなら、私は自分で一歩を踏み出す。」





ギュッとビンを持つ手に力を込める。









「そっか。それじゃ、俺は行くよ。また遊びにきな、ご馳走するから。」




「はい、必ず行きます。」




涼は背を向けながら手を振って歩いていった。








「俺も帰るか。」





ビンをポケットに入れて、蓮は自分の家へと歩き出した。







………………………。




……………。




……。









【学園近くの神社】





「そういえば、なんで龍堂の生徒会には会計がいないのかな〜?」




彩華が林檎飴を食べながら言った。







「去年はいたわよ。留年して辞めちゃったけど。」




たこ焼きを持った真里香が言う。






「留年…って、まさか!?」




留年というキーワードに、その人物が頭に浮かんだ直樹。






「そう、南条沙織よ。バカに見えるけど、頭いいらしいわ。」





「よく知ってるな、真里香。」





「昔、お姉様に聞いたのよ。戦術に関しては会長と同じくらいだったらしいわ。はい悠斗、あ〜ん。」




隣で歩く悠斗にたこ焼きをあげる真里香。どうやらこの新生カップルは『あ〜ん』がブームらしい。