「勝負は時の運さ。それより、やっぱり参拝はしないのか?」
「ええ、神なんていませんから。神に祈る暇があるなら、私は自分で一歩を踏み出す。」
ギュッとビンを持つ手に力を込める。
「そっか。それじゃ、俺は行くよ。また遊びにきな、ご馳走するから。」
「はい、必ず行きます。」
涼は背を向けながら手を振って歩いていった。
「俺も帰るか。」
ビンをポケットに入れて、蓮は自分の家へと歩き出した。
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【学園近くの神社】
「そういえば、なんで龍堂の生徒会には会計がいないのかな〜?」
彩華が林檎飴を食べながら言った。
「去年はいたわよ。留年して辞めちゃったけど。」
たこ焼きを持った真里香が言う。
「留年…って、まさか!?」
留年というキーワードに、その人物が頭に浮かんだ直樹。
「そう、南条沙織よ。バカに見えるけど、頭いいらしいわ。」
「よく知ってるな、真里香。」
「昔、お姉様に聞いたのよ。戦術に関しては会長と同じくらいだったらしいわ。はい悠斗、あ〜ん。」
隣で歩く悠斗にたこ焼きをあげる真里香。どうやらこの新生カップルは『あ〜ん』がブームらしい。
