牛乳と猫スーツ。




神社には出店が並び、参拝客で多くにぎわっていた。エリーゼは今さっき食べたにもかかわらず、よだれを垂らしながらキョロキョロしていた。










「綿菓子、林檎飴、チョコバナナ…会長がいたら喜びそうだな。」




甘い物の屋台を見て直樹は文化祭の時の蓮を思い出す。








「兄貴は甘いの好きだからね〜。コーヒーはブラックだけど。」





「今頃兄さん、屋台を制覇してると思います。」




………………………。




……………。




……。










【蓮の地元の神社】





長い銀髪を後ろでアップにして簪で止め、白地に蓮の花が描かれた浴衣を着ている。蓮はチョコバナナを食べながら歩いていた。







「おや、蓮ちゃんじゃないか!久しぶりだねぇ、買っていってよ!」




林檎飴の屋台のおばさんが蓮に気づいて手招きする。







「それじゃ、林檎飴1つ。」





「あいよ、ちょっと待ってね!」





おばさんが逆さに置かれている林檎飴の鉄板をドンと叩く。すると小さくパキンと音がして、鉄板にくっついていた林檎飴が離れる。









「はい、できたてだよ!」




「ありがと、お金置いとくよ。」





お金を置いて、また歩き出す。チョコバナナを食べ終えて林檎飴を食べ始める。