「いきなり殴ることはなかったんじゃない?」
「だって、私のブラ持ってたんだよぅ?同じ状況だったら、真里香だって驚くでしょ?」
クッションを抱きながら顔を赤くして話す彩華。
「まぁ、驚くけど…。好きな相手なら我慢できるでしょ。」
紅茶を飲みながら答える真里香。
「無理だよぅ…。」
彩華はクッションで顔を隠してしまう。そんな彩華を溜め息を吐きながら「やれやれ。」と、頭を撫でてあげる真里香。
「もぐもぐ、んぐ。もぐもぐ…。」
エリーゼは一心不乱にテーブルに置かれているお菓子を食べている。
「よし。」
優華は独自にブレンドした紅茶を入れて、空になっているみんなのカップに注いでいく。
「まったく、変なとこで乙女になるんだから。直樹も鈍そうだし…。この2人、大丈夫かしら?」
真里香が彩華を見ながらお菓子へ手を伸ばすと、指に伝わるのはお皿のツルツルした感触だけだった。
