「そうだな。ところで直樹に聞きたいことがある。この子は誰だ?」
ケータイの写メを直樹に見せる。
「え……。」
そこには昨日、セントリーに潜入した時に変装した自分の姿が映っていたので、直樹は驚く。
「それ…どうしたの?」
「昨日、彩華から送られてきたんだよ。なあ、誰だよ〜この子!教えろよ、知ってんだろ直樹。」
「あは…はは……は。」
教えると、今後悠斗の目線が変わりそうなのと、自分のプライドが崩壊しそうなので、直樹は笑ってごまかすしかできなかった。
「(彩華さんめ……後でデコピンしてやる…。)」
堅く決意した直樹だった。
「俺も付き合いてぇ〜よ〜!!」
買い物に行った時に子供が、ほしい物をねだるように、手足をバタバタさせる。
子供がすれば可愛げがあるが、こんな筋肉質の大男がしているのを見ていると激しくなえる。
「親しい女の子に告白してくれば?」
めんどくさそうに直樹がベッドへ倒れながら言う。
「そうするか!」
部屋のドア勢い良く開けて悠斗は走って行った。
「あれ…?冗談だったんだけど…まあいいか、殴られて帰ってくるだろ。」
【女子寮・中央、談話室】
保健室から戻った彩華と真里香は、途中で合流した優華とエリーゼと一緒に談話室で話をしていた。
