「何のまね?護衛対象の戦車は壊れたんだから、もう戦う必要はないでしょう?仲間も死んでないし、まあ全員ではないけど。」
チラッと円を見る蓮。
「そうはいかねぇ。『北の狼』と『南の吸血鬼』の2人がいるんだ、名を上げたいと思うのは当然だろう?」
1人の敵兵がニヤニヤと笑いながら言った。
「どうしてあなたといると邪魔が入るのかしらね。」
円が溜め息を吐きながら蓮に近づく。
「もう飽きちゃった。早く帰りたいよ〜。」
「同感だ、私は家に帰って大掃除をしないといけないし。」
じっと2人は見つめ合い、そしてクスッと笑う。
「それじゃ、早く体力回復しなさい。」
そう言って、蓮は左手を円に向けて出す。
「いっただっきま〜す♪」
ガブッと蓮の腕にかぶりつく円。
蓮は顔色変えずに見ていた。
腕から口を離すと、2つの小さな穴があいていた。
「もういいの?」
「十分すぎるよ。今戦えば私が勝つんじゃないかな?」
「はいはい。」
呆れた顔をして蓮は溜め息を吐く。
「俺達を無視して何してやがる!」
今にもキレそうな顔をして敵兵が叫ぶ。
「1つ聞きたい。ここにいた一般市民はどうした?」
「ああ?邪魔だったんで消えてもらった。それがどうした?」
