牛乳と猫スーツ。




「幻狼流牙撃(げんろうりゅうがげき)。」




技名を言い終えるのと同時に最後の蹴りを入れる。



円は勢い良く地に落ち、地面に穴をあけた。







「くっ……。ちょっときいたわ。」



むくっと体を起こす円。






「巨グマも倒せる技なんだがな。」




「愛の力ね♪」




円は立ち上がろうとする。少しフラつき、バランスを崩しかけるが、刀を支えにして立ち上がる。







「(ちゃんときいているな…。筋肉のダメージは有効、変わらないな。)」



円がフラつくのを見て蓮は確信する。








先の連続攻撃は脚を集中して攻撃していた。あまりダメージは望めないが、相手が円なら別である。






まともに戦っても、致命傷のダメージを一瞬で回復する円には勝てない。だが円も不死身であって無敵ではない。ダメージは蓄積されていくが、死なないだけ。






首をはねれば死ぬが、まず蓮には殺す理由がない。だから脚にダメージを蓄積させて、円を戦闘不能にさせようとしている。






「まだやるのか?」




「もちろん。あなたを倒すまでね!」



刀を地面に突き刺して、コートの内側から銃(ベレッタM93R)を両手に構えて連射する。









「やれやれ…。」




溜め息混じりに呟き、蓮は腕組みしながら左足で思いっきり地面を踏む。






亀裂の入ったコンクリートの地面が割れて、破片が上に飛び跳ねる。