牛乳と猫スーツ。




「だからって、いきなり蹴ることないじゃな〜い!何か刺さっちゃった〜。」



ビルから出てきた円の心臓の位置に鉄の棒が刺さっていた。








たいして気にすることなく、それを引き抜いて捨てると同時に、傷が治っていく。







「相変わらず不死身か…吸血鬼め。」





「鬼を姫に変えて『吸血姫』にしない?」





「逆に怖ぇ〜よ。」




2人はクスッと笑って、そしてまた戦い始める。









円は高速で突きを繰り出すが、蓮は全てかわし、円の腕を蹴り上げる。




「う………っ!?」





円はすぐに体制を立て直そうとするが、一瞬隙ができてしまった。







そして蓮には、その一瞬で十分だった。





「歯を食いしばれ…少し痛いぞ。」







蓮は少し体制を低くして、一気に円の懐に入る。円は刀を振り下ろすが、蓮の体に当たると同時に、霧を斬ったかのように歪んだ。








「残念、それは残像だ。」



後ろから声がして、円が振り返ろうとすると同時に背中に蹴りが入る。







一瞬で先回りした蓮が、円を蹴り上げて空に浮かせ、そして360°全方位から攻撃を受ける。



まるで1人でサッカーのパス練習をしているように瞬時に吹き飛ぶ先に移動して攻撃する。






直樹に女の姿を初めて見せたときに、クマと戦ったときの技である。