銃を失った敵が数十人、ナイフを持って突進してくる。蓮は携帯を空高く飛ばして、自由になった右手でもう1つ銃を抜き出して撃つ。
肩と足に弾を受けて敵が次々と倒れていく。
いつの間にか敵は全て倒れており、銃を直してケータイを左手でキャッチする。
「本気なんだな?」
『はい!』
「なら、冬休みが明けたら鍛えてやる。覚悟しとけよ、俺は厳しいぞ。」
『よろしくお願いします!』
「じゃあな、基礎トレーニングくらいしておけよ。」
『はい!』
ピッとケータイを切る。
「何か用か?」
後ろにいる者に言う。
「大好きな人に会いに来ちゃいけないの?」
後ろでロングコートを着た円が少し離れた所で壁にもたれていた。
「笑えない冗談だ。」
「ヒドイな〜。それにしても、1人も殺してないのね。」
肩や足を撃たれ、うずくまっている敵を見て、円は言う。
「戦車を破壊しろと言われたが、人を殺せとは言われていないからな。」
「相変わらず優しいわね〜。でも、そこが好きよ…倒したくなるくらい。」
刀を鞘から抜く。
「仕事中だぞ、円。」
「戦車は私が半分、蓮も半分壊したから仕事終了。だから大丈夫よ。」
「そうだな、確かに大丈夫だ。」
蓮の了承の言葉を聞くと同時に円が斬りかかる。
蓮は振り返らずに斬撃をかわし、回し蹴りを円の脇腹に入れる。
吹き飛んだ円が小さなビルを突き破った。
「せっかちな女はモテないぞ?」
