牛乳と猫スーツ。




【知佳の家】





30日の朝、ちょうど直樹達が宿題をしている頃、蓮は知佳の家にいた。





相変わらず、本棚には難しい本が並び、簡単な骨組みのベッド、机にはパソコンがあり、その正面の壁にはアームで固定されたパソコンのモニターが6台ある。





女の子の部屋とは思えないほど殺風景で理科室とパソコン室を合わせた感じだ。







「細胞にちょっと変化が見えるわね……。これ以上、薬は使わないで。」



そう言って、手を出す。



蓮は少しその手を見つめて、その上に手を置いた。








「お手じゃないわよっ!!」




スパーンとどこからかハリセンを出して蓮の頭を叩く。





「痛い…。」






「薬を出せって言ってんのよ、早く出しなさい!」





「わかったよ。」




懐から薬の入った小瓶を出す。
知佳はそれを取り上げて、引き出しに入れる。







「後、休み中はゆっくり寝てなさいよ。」







「へ〜い。」




知佳の家から出てバイクのエンジンをかける。